大企業の新規事業 立ち上げ|0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適解

 

大企業の新事業立上げにおいて、新事業を0→1まで立上げた段階のスタートアップを、安い時価総額のうちに買収する(ひと桁億円前半)のが最適解ではないか、と思うに至っています。

大企業が新規事業を欲する場合、自社内で新規事業立上げを試みるより、新事業をゼロイチで立上げ直後の、時価総額の低いスタートアップを買収する方が、筋が良い場合が多いのではないか。
中長期にわたり新規事業を継続的に創れる組織にするために、スタートアップ買収という手段は有効ではないか。

そう思う理由を、各選択肢との違いや、また各関連プレイヤーの観点、目的の奥行きから、説明します。

 

■ここでいう「大企業」とは

大企業の新規事業立上げは、0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適解ではないか

おおよそ次のような条件に合致する企業を、当ブログエントリーでは「大企業」と想定しています。

「売上1000億円以上の会社で、昭和時代に生まれた事業(事業群)が現在も会社の主事業である or 新規事業の取組みあるも途中で頓挫すること多く、新規事業のプロダクトが販売されて事業部として継続されることが少ない」
(≒過去数十年レベルで、新しい事業があまり生まれていない。社内に新規事業立上げの経験者がほとんどいない。)

このような会社の従業員は、入社当時から会社は既に大きく、社内には優秀な人・高学歴な人が多く、当時から現在のビジネスモデルが既存のものとして存在していたと思います。

 

■ 新事業を0→1立上げ直後の段階とは

いわゆる新規事業の立上げですが、その中でも最も初期段階のところで、

「調査などを通じて、対象とする市場や顧客とその課題を定め、売るものとビジネスモデルを検討し、仕入先・パートナー企業を決めて値決めをし、売るものを具現化し、各種プロセスや業務を作り、この一連の作業で試行錯誤や手戻り・修正を繰り返して暗中模索感に苛まれ、実際に正式サービスや商品として販売開始して広告宣伝し、それを購入する人が出始める」

で、ようやく0から1を創り出せた状態です。

当ブログエントリーでは、上述のプロセスを経て、「購入する人が出始める」まで至った状態を、0から1を創り出せた段階、と定義づけています。

大企業の新規事業開発より、シード段階のスタートアップ買収が最適では

“起業の科学”の著者:田所氏が提唱する、スタートアップサイエンスのステップに照らすと、”Product Market Fit”の段階に至っており、
「本当に問題は存在するのか?」「問題に対してソリューションは適切か?」のフェーズを経て、その次の「プロダクト・ソリューション “に” 市場は存在するか?」という命題に対して、
顧客が欲しがるものを作る・提供することができ、実際に買う人(顧客)は存在することを証明できた段階を、当ブログエントリーでは、新規事業の0から1を創り出せた状態としています。

(逆に、プロトタイプや試作版を作った段階や、サービスをローンチ(販売開始)した段階は、まだ0から1を創り出せていません。プロダクトを作った段階と、顧客がそれを受け入れてお金を払ってくれる段階とでは、天と地ほど異なる全く別の状態です。)

新規事業をゼロから立上げた経験が、一度でもある人ならわかると思いますが、新規事業の0→1を創る部分が、とにかく大変で、最も難しく、試行錯誤で失敗を繰り返し、行ったり来たりで、非常に面倒くさい!

 

■大企業の新規事業立上げ

大企業内で、新規事業を立上げる必要性が経営レベルで認められると、新規事業立上げの “手段” は、次のような選択肢ではないでしょうか。

●選択肢1:自社の社員のみで新事業を立上げる。
●選択肢2:社内メンバー+外部コンサル利用で新事業を立上げる。
●選択肢3:オープンイノベーションで社外+社内で新事業を立上げる。
●選択肢4:CVCでスタートアップにマイナー投資して、新事業シナジーを期待。
●選択肢5:社内で新規事業プログラムをする。
●選択肢6:自社にない新事業をするスタートアップを買収する。

大企業は新規事業開発よりスタートアップを買う

 

選択肢1〜4の新規事業の立上げ成功率は、現実的にはこのくらいです。
●選択肢1:自社社員のみで立上げ:10%未満
●選択肢2:社内メンバー+外部コンサル利用:10%未満
●選択肢3:オープンイノベーション:高め or 限りなく0%
●選択肢4:CVCスタートアップにマイナー出資:限りなく0%
●選択肢5:社内で新規事業プログラム:限りなく0%
●選択肢6:自社にない新事業するスタートアップを買収:100%に近い

 

●選択肢1:自社の社員のみで新事業を立上げる。

新規事業を立ち上げようとする場合、新規事業部門を新設する、経営企画に新規事業担当を置くなどして、自社の社員で新規事業を立上げようとしますよね。

このような新規事業立上げにおいて、新規事業立上げ成功確率は、新規事業が得意な会社でさえも、10%前後のようです。90%が失敗、10回試みて9回は失敗。

大企業は新規事業開発するよりスタートアップを買収する方が良さそう

【リクルート社の例】
・新規事業プログラム全応募中、事業化フェーズに進むのは2%。そのうち黒字化に到達が15%。
・事業開発ターゲットは、6年以内の事業化を狙うカテゴリーと、長期的パラダイムシフトを狙うカテゴリーの2種。
・一次審査通過の案件に、次世代事業開発室メンバー7人(新規事業の社内コンサルの位置付け)が付きっ切りで支援。
・つまり、630件応募の場合、黒字化まで至るのは2件弱の確率。文字通り「千三つ(1000件に対してうまくいくのは3件。0.3%)」の確率です。
・リクルートが新規事業を生み出せるのは、経営が本気で新規事業を作ろうとコミットしてるから。

【DeNA社の例】
・新サービスは初期予算1000万までで、開発〜リリースまで。累積コストが5000万円くらいで大きな判断。
・2014年からの4年で約40サービスを世に出したが、2018年末時点で継続してるのは4〜5サービスくらい。
・つまり、サービスリリースに至っても、その後9割は失敗。
・社内立ち上げ事業は、全身全霊をかけて“打率1割”の世界。

smasa0810.hatenablog.com

リクルート社やDeNA社のような、新規事業が得意で、新規事業に取り組み続ける会社でさえ、新規事業立上げ成功確率は10%、失敗するのが90%ほどのようです。
成功確率10%は厳しい数字に見えるかもしれませんが、成功確率10%は厳しい数字ではなく、単なる現実的な成功率です。

ユニクロ社長の書籍 “一勝九敗” もある通り、新しいことの成功率・失敗率はこのくらいなのだと思います。

新規事業が得意な会社でこの割合ですから、新規事業が得意な会社 “以外” は、新規事業の成功率は10%を下回る、と考えるのが妥当でしょう。

 

なお、新規事業の成功率は10%未満だからダメだ、という意味では決してなく

新規事業の成功率は10%未満であることを理解した上で、短期・中期・長期の取り組み・施策を行う必要があると思います。

成功率10%ということは、逆算すれば、成功する新規事業を1つ得るために、10〜20の新規事業立上げを試みる必要がありそうです。

新規事業立上げを10、20行うためには、新規事業の立上げ責任者を担える人材が、少なくとも10人20人必要です。

大企業にとって、新規事業立上げの責任者を担える人材(新規事業の経験者)が社内に数十人もいないことが、最大の問題で、短期的に解決が難しい問題ではないでしょうか。
大企業内には “優秀な人” は沢山いるものの、”新規事業を担える人(新規事業の経験者)” が、必要な人数いないそうです。過去10年20年に渡り、新規事業にあまり取り組んで来なかったツケが、ここに出てしまいます。

この状況を解消する施策(新規事業の責任者を担える人材を増やす)が、必要ではないかと思います。

 

●選択肢2:社内メンバー+外部コンサル利用で新事業を立上げる。

多くの大企業では、新規事業への投資予算(お金)が問題になることは少なく、担当できる素養のある社員の”数” がいない、新規事業経験者が不足という、人的リソース不足 が問題になりがちです。

外部コンサル利用する場合、社外に新規事業立上げの”経験者の助言”を求めるパターンと、担当する”頭数”を求めるパターンがあります。

【”経験者の助言”を外部に求める】
・新規事業立上げ専門の個人コンサルタント/新規事業に特化したブティック型の小規模コンサル会社は、新事業立上げ経験が豊富な人もおり、新規事業立上げの助けになる。
・”経験者の助言”を社外から買うことはできるも、担当する社員の数が必要なことは変わりない。
・新規事業の成功確率は、リクルート社の数字に近い15%くらいを期待できるかも(事業内容や担当する社員の執念の度合いによる)。

大企業は新規事業開発するより、スタートアップ買収する方が良いのでは

【”頭数”を外部に求める】
・担当する”頭数”を外部に求める場合、大手コンサル会社や広告代理店グループの新規事業立上げ支援など、プロジェクト型の外部コンサルが選択肢。
・外部コンサル会社を利用する場合、以前に自社新規事業(以前勤めた会社での自社新規事業の経験など)の責任者経験がある人を、アサインさせるよう、厳しく目を光らせなければなりません。発注時の最重要事項です。
・コンサル会社側は、クライアントの新規事業のリリース・ローンチがゴールです。しかし現実の新規事業は、そこからとても長いですよね。”クライアントの新規事業案件”しか経験ないコンサルは、この決定的な違いが全く理解できません。発注時に、誰が担当になるか厳しく目を光らせましょう。
・”何をしていいかわからないから、とりあえずコンサル” と、丸っと外注使おうとする人もいると聞いたことあります。確実にうまくいかず、無駄金だと思うのですが、仕方がありません。
・このパターンの外部コンサル利用時、新規事業の成功確率は、自社人員で新規事業立ち上げ行うのと同程度(10%を下回る)と見込むのが良いのではないでしょうか。

 

●選択肢3:オープンイノベーションで社外+社内で新事業を立上げる。

他社の技術や資産と、自社の資産を組み合わせることで、自社だけではできない新しい価値(新規事業)を生み出そうと狙うオープンイノベーション。
以前は、主に大企業製造業の研究部門・技術部門の連携(共同研究・共同開発・技術購買)が中心でしたが、流通やサービス業事などの業界や、販売面も含むジョイントベンチャーも増えています。また最近では、事業会社が運営するアクセラレータープログラムも増えました。

・何を目的とするかの明確さ含め、大企業の経営者・経営陣が腹を決めることが、オープンイノベーション成功のための大前提。
・新規事業立上げをオープンイノベーションの目的にする場合、組む相手の企業規模により、全てが全く変わります。

大企業は新規事業開発するよりスタートアップを買収する方が良さそう

【大企業同士】
経営トップが判断する、大企業として最重要マターのレベルです。投資額も10億20億程度では全くありません(オープンイノベーションとは呼ばれない事案ですね)。
・例:サイバーエージェント+テレビ朝日→AbemaTV
・例:ユニクロ+ビックカメラ→ビックロ
・例:ドコモ+オムロン→ドコモヘルスケア

【相手:上場ベンチャー企業】
若い企業の良さを取り込んで新規事業を立ち上げたい場合、組む相手は、少なくとも上場しているベンチャー企業になるでしょう。(売上規模が500億円、1000億円ほどのベンチャーだと、なお安心。
・例:損保ジャパン+DeNA→DeNA SOMPO Mobility・DeNA SOMPO Carlife
・例:コマツ+ドコモ+SAP+オプティム→LANDLOG(建設生産オープンプラットフォーム)
・例:ドコモヘルスケア+DeNA→歩いておトク(ウォーキングアプリ)

オープンイノベーションは、大企業同士・大企業ー上場ベンチャー企業の場合、お互いの強みを持ち寄り、成功率は比較的高いように思われます。

 

【相手:スタートアップ・中小企業】
事業会社アクセラレータープログラム は、スタートアップとの共創を狙う場合が多いようです。しかし残念ながら、スタートアップとの協業にて新規事業を作るのは、成功率は限りなく0%に近くなるのでは。
無理な理由は言い出したらキリがなく、大企業とスタートアップの協業による新規事業がうまくいく理由が思い当たりません。
(成功事例がゼロとは言いませんが、相当レアケース。レア事例:NTT東日本流の共創|商流もゼロから創る。未完成商材を既存商材とセット販売する共創事業 )

一方で、スタートアップ・中小企業が新規性ある自社商材・技術を売り込むー大企業がそれを買う・導入する(自社の課題を解決する技術購買)、という関係は成り立ちます。新規事業立上げではなく、オープンイノベーション(アクセラレータープログラム)の場が、本業・既存事業に貢献する新しい商材・ソリューションのオープンな仕入れ経路としては、有効に機能します。

(新規事業創出ではない目的の場合は、何かスタートアップとやりたかったり、PoCの実行自体が目的、期間限定のキャンペーン的案件などは、もちろんあると思います。当ブログエントリーでは、目的:新規事業創る について書いており、スタートアップと協業で新規事業を作ることは無理があると考えます。)

 

●選択肢4:CVCでスタートアップにマイナー出資して、新事業のシナジーを期待。

本業との事業シナジーを期待するCVC(コーポレートVC)。イノベーションの期待、投資を通じた新事業への期待など。しかし、スタートアップへのマイナー出資により、大企業の新規事業につながる可能性は限りなく0%に近いです。

・大企業の観点では「ウチが金を出してるんだから、何かよこすのが当たり前」と思いがち(勘違いしがち)らしいですが、大企業CVCはマイナー割合出資株主の一つに過ぎない。
・スタートアップは、自社の事業を伸ばすことを考える。大企業CVCの新規事業を考える立場にない。
・CVCにより、複数スタートアップへのマイナー出資を通じて、新しい領域の情報は得られるでしょう。しかしその情報を、新規事業に繋げて立上げを担う人が大企業内にいない。

CVCが新事業・本業に貢献する例外は、次の3パターンです。

①大企業CVCが出資+業務提携をし、大企業が本業の一部分としてスタートアップ業務の一部を担い、それが大企業の本業に貢献する。
スタートアップ売上増えるほど、大企業の本業に貢献し、中期的にはそのスタートアップに対する取引先としての影響力の増大するケース。
例:ネット広告CVCが、デジタルマーケ系SaaSに出資+販売代理。
装置会社が、AI企業に出資+AIを自社の装置ビジネスに導入(技術購買)。
不動産会社が、シェア系企業に出資+自社の有休資産のマネタイズ化。

②インフラ・プラットフォーム系大企業CVCが出資+業務提携をし、大企業インフラ・プラットフォームをスタートアップに使ってもらう。
スタートアップが伸びるほど、大企業の本業に貢献します。大企業の売上に直結するケースもあれば、大企業の勢力拡大に貢献する場合も。
例:通信会社が、その通信を使う新サービスに出資(例:5G前提のサービス)。
物流会社が、デジタル×既存産業ビジネスに出資+物流を掴む。

③CVCが海外のスタートアップに出資+日本事業をジョイントベンチャーで立上げ。
例:ソフトバンクが米国Yahoo出資 → 合弁でYahoo Japan立上げ。米国WeWork出資 → 合弁でWeWork Japan立上げ。

(この3パターンの他に、日本のグローバル企業による米国先端技術系スタートアップへの投資と技術面の提携(例:ヤマハの米国CVC法人)がありますが、ここでは割愛します。)

※ スタートアップ買収を見据え、アーリーラウンドでマイナー出資する場合(新事業開発ーM&AとCVCが連動している場合)は、その後 買収すれば、新規事業の獲得100%です!

 

●選択肢5:社内で新規事業プログラムをする。

自社内で新規事業案を募集して、その案から新規事業を作ろうとする新規事業プランコンテスト・プログラム。大企業の場合、1回の実施で数百の応募もあるそうです。

しかし新規事業プログラムは、新規事業立上げの成功率は限りなく0%に近いそう。

リクルート社(新規事業プログラムを1982年より数十年やり続ける企業)で、630件応募に対して黒字化に至るのは2件弱で、成功率は0.3%。日本で最も新規事業プログラムが得意な会社でこの確率。
サイバーエージェント社は、同様のプログラムを過去10年,年2回行い、毎回数百の応募があるも、事業化して成功したものは一つもないそうです。10年やり続けて成功0件。

社内の新規事業プログラムは、新規事業創出には役立ちませんが、適切に運用すれば、新規事業やりたい人や適任者を洗い出す目的としては、有効に機能するようです。

 

●選択肢6:自社にない新事業をするスタートアップを買収する。

自社にない新規事業の獲得目的で、スタートアップを買収する大企業が増えています。
0→1に至った新事業スタートアップを買収すれば、それを大企業内に新規事業に取り込むことで、限りなく100%に近い確率で、新規事業の創出できます

この選択肢の中で、特に “新事業をゼロイチで立上げ直後の、低い金額(ひと桁億円前半 1〜3億円位)でのスタートアップ買収” が、このブログエントリーの主たる主張であり結論です。

当ブログエントリーの後半にて、この選択肢について詳細を書きます。
結論に先立ち、いくつかの立場や観点の状況を説明します。

 

■VCの行動特性・VCが投資をしないスタートアップ

スタートアップを買収するといっても、時価総額が高くて無理だ、思われるかもしれません。

現実には、時価総額がかなり高いスタートアップ(100億円位)もあれば、時価総額が低いスタートアップ(1億円未満)もあり、VC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達有無・金額の違いによって、全く違います。

●VCの行動特性・VCが投資するスタートアップ

VCが組成・運用するファンドは期限があり、通常10年です。最初の2-3年でスタートアップに投資をし、継続的な支援を通じてスタートアップをイグジット(IPOか売却させ、株式の値上がり益を得る)に向かわせます。
業態としてのこの構造により、自ずと次のような基本的な行動特性を持つそうです。

VCは5-6年以内にIPOしそうだと判断するスタートアップに投資する
=売上や利益水準がIPO水準に成長しなさそうな案件には、投資しない。
=将来性を感じても、時間軸として5-6年でIPOしなそうな案件には、投資しない。
→自ずと短期視点になり、長期的な視野に立たない。
→需要や顧客・市場を作る案件を嫌う(10年では無理な案件)。
→研究開発型の案件を嫌う(10年では無理な案件)。

この基本的な行動特性がある上で、各VCにより違いはあります。
・ジャフコや銀行系VCなど長く経営されているVCは、日本の新事業創造なども視野に入れ、比較的長期を見据え、ムーンショット型案件なども取り組むと聞きます。
・ネット系VCや独立系VCは、本業がインターネット関連なこともあり、原価がかからないネットビジネス(スマホ画面内で完結する事業)を好む傾向です。

 

●VCが投資をすると、急成長を強要される

一言で言えば、スタートアップは身の丈を大幅に超える、急成長を求められます(半ば強要されます)。

・調達した資金は、ほぼ人の採用・広告費の投下に回され、明らかに身の丈を超える赤字になります。(赤字の幅が甘いと、アクセスの踏み込みが足りない)
・調達した資金を1-2年で使い切るスピードを求められます。
・”VCからの資金調達は、“悪魔との契約”だ” と、あるVCの投資家は表現します。
なんとなくでVCから資金調達は絶対にしちゃダメ! | 現代ビジネス

その結果も含め、半分以上のスタートアップは耐えきれず壊れてしまいます。ただ、VCは投資先ポートフォリオのうち、いくつかがIPOして回収できれば良いビジネスのため、特定のスタートアップが壊れても困ることはありません。

VCから資金調達したスタートアップの経営は、大企業の視点で見ると、見たことないほど異常な経営に映るはずです。
(大企業の新規事業も、先行投資から最初赤字になりますが、本業が傾く恐れがあるほどの赤字リスクは取らないと思います。一方、スタートアップでVC調達すると、組織が壊れるほどのスピードを求められます。)

 

●VCが投資をしない/VCから資金調達しないスタートアップ

ユニークなビジネス、新しい方法で顧客課題の解決を試みる起業家、新たな需要を創ろうとするスタートアップは、使えるお金が必要です。

しかし、全てのスタートアップがエクイティの資金調達できるわけではなく、VCから資金調達できるのは “5-6年以内にIPOしそうだと、VCが思う”スタートアップです。
また “VCからの資金調達は “悪魔との契約” であると理解し、VCからの資金調達を避けるスタートアップもいます。

ユニークなビジネス・顧客価値提供を狙うスタートアップで、VCから資金調達できた/した割合は、個人的な肌感覚では、おそらく 2割くらいではないでしょうか。
(逆に、8割くらいのスタートアップは、VCから資金調達していない/できない)

同じ “スタートアップ” でも、VCから資金調達をしないスタートアップは、コスト意識が全く違い、大企業では信じられないほどコスト意識の高い経営をしています。

次のようなスタートアップには、VCは投資を控えがちであると聞きます。(VCが5-6年でIPOしそうに思うのと、逆です)

・需要や顧客・市場を作る案件(事業成長に時間がかかる領域)
・20年30年の長期スパンを見据えるビジネス
・VCの理解では、ニッチに思える市場・ビジネス(IPOしなさそう)
・原価が発生し、粗利率が低いビジネス
・全国展開にコストがかかるビジネス
・女性向けサービス(VCの大半が男性で、男性には理解不能な場合も多い)

 

●VCから資金調達しないスタートアップは良いか・悪いか

「誰の視点か」によって、良い・悪い は変わります。

【VCの視点】
VCから資金調達し、時価総額も上がり、順調にIPOに向かっていくスタートアップに、価値があります。
逆に、VCから資金調達しないスタートアップは、VCにとっては “無価値” です。VCにリターンをもたらす可能性がゼロですので。

【証券会社の視点】
順調にIPOに向かっていくスタートアップに、価値があります。VCから資金調達をせずIPOする企業もあるも、創業から比較的短期間でIPOする企業は、多くはVCから資金調達しています。

【生活者の視点】
一方で、生活者からすると、VCから資金調達しているか ・していないかは何の関係もありません。自分の欲する商材やサービス・自分の悩みや課題にフィットする商材やサービスを、販売・提供してくれているかどうか。
シリコンバレーで有名なY Combinatorが、駆け出しの起業家によく言うアドバイス「Make something people want(人々が欲しがるものを作れ)」は、生活者・ユーザーの観点そのものであり、起業の成功を左右する最重要ポイントです。

 

■スタートアップ起業家のタイプ

自身でスタートアップ起業する起業家は、強烈な自信と野心に溢れ、ガレージでプロダクトを作り、俺が/私が世界を変える!と鼻息荒い、スティーブ・ジョブズのような人に違いない!

そう思うかもしれませんが、起業している人にも、色々とタイプがいます。

●世界を変えたい起業家
ビジョナリーなミッション、ビジョナリーなプロダクト、人々を魅了するストーリー。
非常に野心的で、最短・最速・最良に実現すべく、できる限り多くの資金をVCから調達しようとします。メディアに登場する頻度も高く、多くの人が「起業家っぽいな〜」と何となく想像するのがこのタイプの起業家。

●帝国を作りたい起業家
自分がボスである組織を、とにかく大きくしたい起業家です。
組織をより大きくするために、VCから資金調達と言う手段を利用する起業家もいれば、他人に経営に関与されることを嫌い、VCから資金調達を避ける起業家もいます。組織を大きくするほど世の中への影響力が高まり、自己効力感も高まります。

●発明をしたい起業家/0→1 が好きな起業家
世の中に役立つプロダクトを作り出したい、自分から生まれたプロダクトを世に残したい起業家です。作り出したプロダクトを、より多くの人に届けたいと望みます。
シリコンバレーで有名なY Combinatorが言う「Make something people want(人々が欲しがるものを作れ)」に、強い共感を覚えるのはこのタイプの起業家。

●自分が欲しいから作った起業家
自分が直面した、既存の世の中の不都合,不便,不条理を、なんとかしたいと思い、起業という選択肢を選んだ起業家。怒りにも近い、内なる情熱を持つことが多い。自分の単なる思い込みではなく、自分が直面した不都合を解消しようとするため、人々を魅了するストーリーも持ちやすい。

●受託案件型の起業家
システム開発・コンサルティングなど、法人企業からの受託ビジネスをする起業家。
受託案件は、自社プロダクト・サービスを作らないこともあり、先行投資のための資金調達は基本的に不要(会社の運転資金は必要だが)。

 

■0→1創り出した直後のスタートアップを、低い時価総額のうちに買収するのが、最適解だと思う理由

大企業は新規事業開発するよりスタートアップを買収する方が良い

ようやく、このブログエントリーの主たる主張であり結論である、 大企業の新事業立上げにおいて、新事業 0→1創り出した直後のスタートアップを、時価総額が低いうちに買収する(ひと桁億円前半 1〜3億円位 )のが最適解ではないか” について。

大企業が新規事業を立上げようとする際、自社社員(+外部コンサル)数名〜十数名で新規事業を立上げを試みる(新事業成功率10%くらい)より、
新しいビジネスをローンチし、少ない売上ながら既に顧客やリピーターのいるスタートアップを買収して、それを自社の新事業として伸ばす方が、良いのではないか
、と考えます。

 

●この方法が最適だと考える理由(大企業側の視点)

一言で言えば、自社内で新規事業を立上げるのと比較して、
ひと桁億円前半でスタートアップを買収する方が、安く済み、短時間ででき、人的リソース不足でも実行でき、新規事業として立上がる確率が圧倒的に高いこと
が、この方法が最適だと考える理由です。

 

新規事業をゼロから立上げた経験が、一度でもある人はわかると思いますが、新規事業の0→1を創る部分が、とにかく大変で、最も難しく、非常に面倒くさい

具体的には「調査などを通じて、対象とする市場や顧客・解決する顧客の課題を定め、売るものとビジネスモデルを検討し、仕入先・パートナー企業を決めて値決めをし、売るものを具現化し、各種プロセスや業務を作り、この一連の作業で試行錯誤や手戻り・修正を繰り返して暗中模索感に苛まれ、実際に正式サービスや商品として販売開始して広告宣伝し、それを購入する人が出始めるまで」で、ようやく0から1を創り出せた状態です。
ここまでに至るまでが、もうとにかく大変で、最も難しく、非常に面倒くさい。

大企業内で新規事業立上げにおいて、この一連のプロセスのどこかで問題があり、新規事業のサービスや商品を世に出す前に、頓挫してしまうことが、多いのではないでしょうか。

それを、自社内でやるより、ひと桁億円前半でスタートアップを買収する方が、安く済み、短時間ででき、人的リソース不足でも実行でき、新規事業として立上がる確率が圧倒的に高いことが、この方法が最適解ではないかと考える理由です。

(なお、新事業 0→1創り出した直後のスタートアップなら、なんでもいい、と意味では当然ありません。その事業の中身、ビジネスモデル、大企業の戦略的方向性やシナジーの生みやすさや相性などによります。)

 

【理由:スタートアップ買収の方が、安く済む】

自社内で新規事業立上げる場合(新事業の0→1を創る部分まで)、必要となる金額は人件費含めて 数億円から、場合によっては十数億円 ではないでしょうか。
(某コンサル会社は、新規事業立上げ受託プロジェクト(上述の0→1プロセスの商品やサービスのローンチまで)で、2億円とか3億円とか10億円とか聞きます。この他に、自社の人件費なども当然加わります。)

しかも、その成功率は10%未満。数億円の予算をかけて、新規事業がうまく作れる割合が1割なのが、新規事業立上げの厳しい現実です(9割が失敗)。

(例:DeNA社の場合、新サービス立上げ〜大きな判断(撤退or継続)まで5000万円。40サービスを世に出すも、そのうち9割はクローズ。想定的に低コストなWebサービスで、新規事業が得意なDeNA社でさえ、1つ成功させる新サービス立上げにかかる金額は少なくとも5億円。)

一方で、時価総額の低いスタートアップ買収なら、必要となる金額は数億円(数億円の前半 1〜3億円位)です。
買収ですので100%の確率で、売上・顧客も出始めている新規事業を手に入れることができます。新規事業の立上げ成功率を加味すると、数億円で買収する方が、良いのではないでしょうか。

 

【理由:スタートアップ買収の方が、短時間でできる】

自社内で新規事業立上げる場合、上述の0→1プロセスにかかる期間は 1〜2年くらいでしょうか(もちろん事業により、会社により違えど)。

仮に2年3年かかっても、上述の0→1プロセスを経て、新商品・新サービスとして販売に至れれば御の字で、上述の0→1プロセスの途中のどこかで頓挫するのが大半と聞きます。
担当役員の退任により新規事業プロジェクトが頓挫、分析と調査ばかりで事業立上げプロセスに進まない、本業部門からの横やりや社内調整など、どんどん時間はかかってしまいます。

一方で、スタートアップ買収なら、かかる期間は買収プロセスそのものは2〜3ヶ月ほどでは。契約締結・買収実行により即座に新規事業を手に入れることができます。

 

【理由:スタートアップ買収の方が、人的リソース不足でもできる】

自社内で新規事業立上げる場合、成功する新規事業を1つ得るために、10〜20の新規事業立上げを試みる必要があるようです(成功率10%未満なので)。
その際、最も問題になるのは、新規事業立上げの責任者を担える人材(新規事業の経験者)が必要な人数いないことでは

大企業内には “優秀な人” や “エース人材” は沢山いると思いますが、優秀な人と “新規事業が担える人” は往々にして異なると言われます。
花形部署から“ゼロイチ”は生まれない:日経ビジネス
主力事業で優秀な人ほど、既存事業に愛着があり、新事業を生み出せない:日経ビジネス
新規事業の資質を備える人材は全従業員の8% | FastGrow

上記記事は社員の”素養”についてですが、実際の現実としては、”素養”以上に重要なのが、その社員が、新規事業の立上げ経験があるか、未経験か。人間誰でも、未経験なことをやるとき成功率は低く、経験を積むほどうまくできるようになります。

大企業内で新規事業立上げが難しいのは、新規事業立上げ経験者が少ない/いないのが、問題の根幹のようです(社長が新規事業を作るぞと旗を振っても、経験者・やれる人材が不足)。過去10年20年に渡り、新規事業に消極的だったツケが、人材不足という大問題に繋がってしまっているのでは。

一方で、時価総額の低いスタートアップ買収なら、新事業立上げのための人材は不要です。(大企業の目線で言えば)スタートアップ創業者が、その新事業と会社を勝手に立上げてくれています。

人材不足という短期的に解消が難しい課題がある場合でも、お金の力(ひと桁億円前半の買収)で、0→1を創る部分まで実現したユニークな新規事業を保有できます。

 

【理由:スタートアップ買収の方が、新規事業として立上がる確率が圧倒的に高い】

当エントリーで繰り返す通り、新規事業立上げの成功確率は10%程度のようです。成功する新規事業を1つ得るために、10〜20の新規事業立上げを試みる必要があります。

一方で、時価総額の低いスタートアップ買収なら、その新事業は既に立ち上がっており、立ち上がっている新事業を買収するため、新事業の成功率は100%です。
もちろん、その後に継続的に成長できるかは別のチャレンジではあるも、新規事業立ち上げで最も難しく、非常に面倒くさい、0→1を創る部分を、スタートアップ創業者が既に実現させています。

 

【理由:スタートアップ買収の方が、社内の横やりが少ない】

かかる費用、時間、人的リソース、成功率の他に、自社内で新規事業立上げる場合、問題になりやすいのが “社内の横やり・逆風” ではないでしょうか。

新規事業立上げの際、社内の多方面から横やりが入るものです。新サービスや商品を販売する前の段階では、特にその傾向は顕著です。

「ニーズや市場あるのか」「既存事業とのシナジー」「既存事業とのカニバリ」「うちの強みと関係ない」「売上見込みはどの程度か」など、一見すると正しそうだけど、新規事業においては間違っている横やりや、
既存事業からは「俺たちが稼いだ金で、あいつら(新規事業部門)よくわからないことをやっている」とやっかみを受けることも。
ちょっとでもうまくいかないと「だから止めとけと俺は言ったんだ」みたいな、風の噂も、いやでも耳に入ってきます。

この横やり・逆風は、想像を絶するほど、新規事業担当者の意欲や精神を削ぎます。身内に攻撃される(善意であっても、攻撃・非難されていると感じるものです)のは、心理的なダメージが大きいです。

(この ”横やり” をやり過ごし、なんとか新規事業を進め、正式サービスや商品販売に至ることが出来れば良いですが、
その手前の段階で新規事業立上げが頓挫すると、心情的に嫌な失敗体験だけになり、その社員は、次に新規事業をやろうという意欲がなくなってしまう問題が、現場では起こりがちです。(ポテンシャルある従業員を潰してしまう)

一方で、時価総額の低いスタートアップ買収なら、横やり・逆風が起こりやすい 0→1フェーズを、ショートカットできます。
もちろん買収後に、「既存事業とのシナジー」「売上見込みはどの程度か」などの指摘はあるでしょう。しかし、既に新商品・新サービスがあること、少なくとも顧客(喜んでいる顧客)がいることは、新規事業担当者に大きな力を与えます。

スタートアップ買収により、ゼロからクリエイトする部分はショートカットすることで、”社内の横やりに苦しむ” 精神状態を減らし、新事業を作り伸ばすことに注力できます。

 

【理由:”create” ではなく、”choice” で進められる】

新規事業が難しい(成功確率が低い)のは、ゼロから”create” しなければならないことにあります。

ほとんどの日本人は、幼少期から老人になるまで、ゼロから”create” が求められる場面に、滅多に直面しません。小学校は公立か私立か “choice”、中学や高校はどの学校を受験するか “choice”、大学はどこを受験するか “choice”。就職活動も同じで、就活時期は世の中により定められていて、どの会社を受けるか “choice”。
社会人になってからも 先輩からOJTで仕事を学び、異動時には前任の仕事を引き継ぐ。発注部門に所属すれば、外注業者に提案をさせて、そこから”choice”。

人生において、ゼロから “create” が必要な場面がなく、”choice” ばかりなことは、決して悪いことではなく、日本社会が成熟している証拠ですので、大変好ましいことです。

しかし、新規事業においては、ゼロから “create” を求められます。
人生において ゼロから”create” の経験がないのに、新規事業担当になると人生で初めて ゼロから”create” しろと求められる。この点も、新規事業立上げの成功率が極めて低い理由の一つです。
(急に “create” を求められても、何をしていいかわからないから、とりあえずコンサルに丸っと外注使おうとする人がいるのも、この点と大いに関係します。コンサル発注という “choice” 。)

一方で、時価総額の低いスタートアップ買収なら、”create” ではなく、”choice” で新規事業を獲得できます。

 

新規事業立上げのために、いろいろと調べる人は多いでしょう。「思いついたビジネスアイデアは、調べてみると、だいたい既にスタートアップがあったり、別企業が提供している」とガッカリした経験を持つ方は多いのでは。

“自社の新規事業立上げのための、時価総額の低いスタートアップ買収” が選択肢としてばあれば、調べたら「既にスタートアップがある状況」は、ガッカリするどころか、買収候補の発掘 という、目的に沿う明確に意味のある作業になります。

自社の取り組む領域・大枠に合致する範囲で、0→1新事業立上げたスタートアップを探し、評価・交渉するという”choice” で進められるのが、時価総額の低いスタートアップ買収による自社新事業の獲得です。

 

■大企業が時価総額低いスタートアップ買収するメリット

一言で言えば、自社で新規事業を立上げより安い金額(ひと桁億円前半 1〜3億円位 )で、新規事業を保有することができる、というメリット。
社内に新規事業経験者が少なくとも実行可能で、新規事業成功率10%に悩まずとも、1年も2年も時間をかける必要なく、ゼロイチ新規事業を保有(作る)ことができます。

大企業の新規事業開発は、スタートアップ買収が最良の選択肢
●短期的なメリット(費用,時間,人的リソース観点)

・0→1を創る部分を経た新規事業(スタートアップ)を、金で買える。
・ひと桁億円前半で、新規事業を獲得。
・契約締結次第、100%の確率、新規事業を獲得。
(一方、自社でゼロから新規事業立上る場合、数億円はかかり、1〜2年かかり、成功率は10%未満)

・大企業(自社)の強みである資産を活かして、ビジネススケールできる(大企業リソースを活かして 1→2、2→5に引き上げる。)
・買収したスタートアップに、自社社員を数名投入して事業運営させることで、新規事業1→2フェーズ(新事業立上げに近い環境)の実経験を積ませることができる。

 

新規事業は、0→1を創る部分がとにかく大変で、最も難しい(そのプロセスのどこかで頓挫・失敗しやすい)ため、0→1を創る部分を買収の形でリスク回避&ショートカットし、
大企業の資産・人材を活かしやすい、1→2、2→5への引き上げに自社社員の努力を向かわせることで、新規事業の事業化&成長の確率、スピードを高められます。
(言い方を少し変えれば、0→1を創る成功確率10%の部分は、社外の多数のスタートアップにやっておいてもらい、その多数の中から、0→1を経て新事業・新プロダクト販売に至ったスタートアップを、買収して自社に取り込むやり方です。)

 

●短〜中期的なメリット

・新規事業1→2フェーズの実経験を積んだ自社社員は、次は、経験・能力的に0→1新規事業を担えるようになり、更にその次は、0→1新規事業の立上げ責任者を担えるようになる。
・新規事業の0→1→2フェーズの実経験者を継続的に増やし、数十人、百数十人に増える頃には、新規事業を創り続けることが可能な組織になっている。

・買収スタートアップCEOに、別の新しい 0→1新規事業立上げの役割や、会社のデジタル関連案件の役割を担わすことで、会社のデジタル化や新事業に貢献させることができる。(起業家の0→1立上げ能力を活かす観点+起業家の退職リスクを減らす観点)

 

●中〜長期的なメリット

・既存事業の延長線上にない新事業,新ビジネスを、安く買える。既存事業とは異なる事業・視点を、自社内に取り込むことができる。

・複数のスタートアップ買収を通じて、自分で構想できてゼロから事業立上げ経験ある、ヨソ者社内ネットワーク(買収スタートアップCEOたち)を保有できる。
・このダイバーシティを社内に保有することで、経営として、既存事業の延長線上にない新事業や、異なる産業構造のビジネスを検討しやすくなる。

 

どの業界でも、産業の垣根が消えつつあり、取引先企業や想定外の他業界企業が突然ライバルになったり、破壊的な新規企業の参入は現実のものになっていると思います。

そのような環境変化の中で、ただ座して待つのではなく、業界の枠にとらわれず自社の事業構造を変え、顧客や顧客体験の再定義も伴うような、既存事業や業界の延長線上にない新事業に取り組む必要性は、過去になく高まっているのではないでしょうか。

ただそうは言っても、自社事業や既存市場の常識と異なる新規事業を、自社内で立ち上げるのは、一般に、極めて困難なのはご存知の通り。どれだけ柔軟性の高い人でも、自社の事業構造や業界習慣を無視した発想は不可能です。

買収スタートアップCEOという、自社事業や産業とはもともと異なる常識を持つ元よそ者→買収後は社内の人間(いわゆる外様大名)を、複数人持っておくことで、経営として、既存事業の延長線上にない新事業や、異なる産業構造のビジネスも検討しやすくなります。

 

【買収スタートアップCEOの上手な活用例】

買収したベンチャー・スタートアップCEOを、既存事業の延長線上にない事業立上・推進・経営にうまく活用した企業例。

・コマツ社:ビッグレンタル買収 → 買収からおよそ10年後、元代表は コマツ執行役員 スマートコンストラクション事業の立上げ・責任者に
・Yahoo社:電脳隊買収 → 買収からおよそ20年後、元代表は Yahoo代表取締役。また執行役TOP3は、3人とも以前に買収したスタートアップCEO
・トランスコスモス社:ソーシャルギア社買収 → 代表はトランスコスモス取締役CMO イノベーション担当に
・ZOZO社:VASILY買収 → 代表は zozoテクノロジーズ代表に(新設子会社の代表)

 

■新規事業立上げ目的の買収に、向くスタートアップ

大企業の新事業立上げにおいて、新事業を0→1まで立上げた段階のスタートアップを、安い時価総額のうちに買収する、最適解だと思う中で、向くスタートアップ・向かないスタートアップはあると思います。

 

【10億〜数十億の買収でなく、ひと桁億円前半の買収が良いと考える理由】

日本のスタートアップ界隈では、10億円前後のM&Aが増えているそうです。
しかし、大企業の新規事業目的の観点では、10億〜数十億の買収でなく、ひと桁億円前半(1〜3億円位)の買収が良いと考えます。

●新規事業立上げと同列で検討できる金額感(1〜3億円位)

・大企業の新規事業立上げにかける位の金額感が良いのでは。新規事業立上げの必要性が認められた際に、自社内で新事業立上げとスタートアップ買収を、同列に検討できる金額感。(スタートアップ側のフェーズ/売却相場目線ではなく、大企業の新規事業目線です)

●新規事業0→1→2フェーズの実経験

・0→1を創る状態まで至ったスタートアップは、まだ数名で運営(もしくは社長1人)の場合が多い。そこに投入される自社社員は、文字通り何でもやらなければならず、それこそがまさに、新規事業0→1→2フェーズでの実経験です。
(一方、時価総額10億円レベルのスタートアップは、組織的には20-30人規模で既に役割分化されている。既に新規事業0→1→2フェーズを過ぎており、そこに自社社員を投入しても、特定部署の仕事しか経験できない。)

・0→1を創る状態で数名の組織だと、そこに投入される自社社員は、自ずとスタートアップ創業者と日々一緒に仕事をすることになる。ゼロイチを構想して立上げた当事者(社長)から直接吸収でき、自身が次の新規事業0→1を立上げる役割を任命された場合に、その経験が大きく役に立つ。
(一方、組織が数十人になっていると、ゼロイチ構想して立上げた社長と一緒に仕事する時間は少なく、その分学びが少なくなる。)

●リスクコンロトールのしやすさ

・組織的に数名のスタートアップは赤字幅が小さく、コスト意識が超絶高い。買収後のリスクコントロールがしやすい。
(一方で、既に組織が数十人となっていると、赤字幅は億単位になっている場合もあり、買収後のリスクが大きくなる懸念。)

・スタートアップ買収では、のれん代の減損処理が必要となる場合が現実には多いです。低い買収額(ひと桁億円前半 1〜3億円位)だと、営業損益の影響は軽微です。
(一方で、例えば20億円30億円の減損処理となると、それなりの影響あるレベルでは。)

・自社内で新規事業立上げをする場合、外注費含め数億円の当期赤字を計上する形になるのでは。1つだけなら軽微でも、複数の新規事業立上げを同時並行で行うと、赤字額として大きくなり、営業損益への影響が大きくなりがち。
対してひと桁億円前半の買収は、大赤字のスタートアップ買収でない限り、当期営業損益への影響が少ない。

 

【ひと桁億円前半で買収可能なスタートアップとは】

スタートアップ側の事業フェーズで言えば、シード・アーリーステージにあたります。別の観点で言えば、VCから資金調達を得ていないスタートアップです。

スタートアップはみんなVCから資金調達してるんじゃないの?と思うかもしれませんが、VCから資金調達できた/した割合は、個人的な肌感覚では、おそらく2割くらいだろうと思います。

●VCから資金調達するスタートアップ(多分2割くらい)

スタートアップが VCから資金調達をする際、いくつかのラウンドがあり、シード、アーリー、シリーズAなどと呼ばれます。

https://coralcap.co/wp-content/uploads/2017/06/valuation3.png

VCから資金調達時の時価総額は、シリーズAだと、調達額の中央値2.6億円、ポストバリュエーションの中央値11.7億円 だったそう(2016年頃の数字)。この点から見て、例えば シリーズAの資金調達済みスタートアップは、ひと桁億円前半では買収できません。

https://miro.medium.com/max/1160/1*2XjV2n-rcFhFCusi5Lmngw.png

シリーズAより前のラウンドだと、シード(前半)資金調達をして、商品やサービスの販売開始をし、実際に注文があり、顧客が付き、リピーターが出始めた頃が、ひと桁億円前半(1〜3億円位)で買収可能なタイミングかもしれません。
(トラクションが良好な場合は、VCも起業家も、売却ではなく次の資金調達を考えるのが一般的です。
一方、既に0→1立上げに至っていれば、トラクションが悪くとも事業内容が良く、大企業のリソースにより伸ばせるスタートアップは多数あります。

 

●VCから資金調達しないスタートアップ(多分8割くらい)

VCから資金調達をしない企業は、上述のような形の資金調達ラウンドはありません。

VCから調達しないからといって、お金がかからないわけではなく、国や自治体の創業融資、創業者の貯金や家族から借金、エンジェルから応援出資などにより、運営資金をやりくりしています。

VCから資金調達をしない企業の中で、ユニークな商品やサービスを販売をし、実際に注文があり、顧客が付き、リピーターもいる企業は案外たくさんあり、ひと桁億円前半で買収可能なタイミングかもしれません。

創ったプロダクトを広めたい起業家や 0→1志向の起業家、自分が欲しいから作った起業家は、もともと起業の目的はIPOではなく、自身が創ったプロダクトをより広めたい・役立てたいことが目的の人も多く、特定企業の傘下でプロダクトを伸ばすことを、選択肢として検討する起業家も少なくありません。
【こういうスタートアップ買収が良いのでは】

当然、大企業の自社の戦略・事業開発の方向性ありきという前提の上で、

大企業が新規事業の獲得目的で、0→1立上げまで至ったスタートアップ買収する場合、こういうスタートアップが良いのでは?と想像する内容の箇条書きです。

①ユニークなプロダクトがあり、規模は小さくとも売上があり、リピーターがいるor顧客満足度が高い。つまりゼロからイチを創った段階のスタートアップ。
(売上・リピーターがいることは、消費者がお金を払ってでも解決したい課題を捉え&課題解決できるプロダクトを持つ証拠です。逆に、素晴らしいアイデア・コンセプトでもお金を払う顧客がいなければ、絵に描いた餅です。)
②世の中的に、新しい商品・サービスを提供する新事業。サムシング ユニーク、サムシング ディファレント、サムシング ニュー。

③自社事業の市場内 or 親和性高い市場 or 関連市場。自社技術領域と関連性高い技術 or 関連技術
④自社で行ってないビジネスモデル。(例:小売ならD2CやCtoC、メーカーならサブスクやD2Cなど)

⑤創業者が、起業前に企業勤めの経験がある。
⑥買収後も創業者含めたキーマンが抜けないことに合意(ロックアップ条項必須)。

 

①・②は、ほとんどの人からすると「正直なところよくわからない、でもお金を払う顧客がいて、満足してるようだ」と見えます。新しいユニークなプロダクトは、よくわからないもので、多くの人には理解できない場合が多いです。(例えば、他人の家に泊まるサービス、見知らぬ人の自家用車に乗せてもらうサービスは、全くもって意味不明です)
そのため説明責任が求められる大企業では、企画段階でボツにされ、0→1に至ることがほぼ不可能な内容です。

正直よくわからなくても、①の状態に至っていれば、証拠を持って説明できる段階です(大企業の意思決定者に「私にはよくわからない、しっくりこない」と言われたとしても、「お金を払って満足している人が実際に存在する」と証拠を持って説明できる)。

①を満たしていれば、引き続き試行錯誤は必要ですが、そこに、大企業内の起業家精神ある人+大企業のリソース投入により、0→1→5くらいまで新事業を引き上げられます。その後は、大企業の得意分野でKPIマネジメントや優秀人材の実行力で事業を展開できます。

③・④は、自社の領域・周辺領域にて、自社で行なっていないビジネスモデルを獲得するのは、学びが大きく、そのビジネスモデルに本格展開するとっかりになりやすい。

⑤・⑥は、スタートアップCEOに「誰かの部下になった経験がある」「大きな組織機構の意思決定プロセスを、過去体験したことがある」かどうかは、買収後に、スタートアップCEOが活躍してくれるか、ヤル気を失ってしまうか、大きな分かれ目です。

 

※ 企業内の新規事業の例ですが、この記事にある3新規事業は、まさに上述の①・②を満たす新規事業で、0→1立ち上った後くらいの段階(0→1→2に至ったくらい)だと思われます。
https://logmi.jp/business/articles/145481 、https://logmi.jp/business/articles/145488

この記事内容を見ると、大企業からすると「この程度」の新規事業と思うでしょうが、企業内の起業家気質人材が取り組んで、ここまで至れるのが10%未満であるのが現実で、数億円のお金は既に使われていると思われます。

 

【追記】このブログエントリーを書く理由

企業内の新規事業担当やスタートアップ起業の経験などを通じて、これら界隈で、なぜそうするのだろう?、おかしいだろう?と不思議・疑問に思うことが複数あり、それらを同時に解決可能なアイデアはないだろうか。

そう思いまとめたものが、このブログエントリーです。

 

新規事業立上げ9割は成功せず、多くの前向きな意欲と努力が無駄に終わる。”社員育成” になればまだいいが、新製品リリース前に頓挫すると育成どころか精神疲弊してネガティブになってしまうだけ。
人材不足(新規事業の経験ががいない)と言うけれど、その経験を積む場がない(なかった)という、鶏と卵のような短期解決が難しい状態。
企業内での新規事業立上げ、構造的にその成功確率を高める方法はないだろうか。

新規事業の盛り上がりにより、新規事業立上げ支援 “周辺” が盛り上がる。コンサル外注3億円、CVCで投資1つ2億円、アクセラレーター1回1億円くらい(外注費+自社人件費など)か。このお金が支援会社の従業員給料に回されたり、何の戦略リターンもないよりも、このお金で新規事業が作れる方がよっぽどいいのでは。

起業して0→1新サービス創るも、朽ちていくスタートアップが後を絶たない。とにかく大変で最も難しい新事業の0→1まで創れたものを、もっと広く社会に有効活用できないものか。

 

上記のような状況を、丸っと解決するアイデアとして、このブログエントリーの主たる主張  大企業の新事業立上げにおいて、新事業 0→1創り出した直後のスタートアップを、時価総額が低いうちに買収する(ひと桁億円前半)のが最適解ではないか” と思っています。

 

大企業の新規事業開発は、スタートアップ買収が最良の選択肢

 

● 大企業の新規事業は大変

新規事業の立上げって、かなり大変です。
自分なりに本気で頑張った結果、うまく行く割合が10%というのは、心が折れそうな事実です。

企業内での新規事業は、ビジネスの案を考えるのが一苦労。
「既存の延長線上にない新しいビジネス」は、社内の誰も知らず、上長も分かっていませんし、「自由に考えてくれ」と言われても、業界慣習を無視した発想が簡単に考えられるなら苦労ありませんよね。

新しい事業案を考えても、既存事業から飛躍するほど、つまりイノベーティブな新事業案ほど、社内説得のハードルが高くなるという矛盾。前向きに新事業を検討したいだけなのに、社内の数多の部門からの横やり・逆風に、心が折れてしまいそう。

「Make something people want(人々が欲しがるものを作れ)」は、新規事業の立上げで超大事なのですが、企業内の新規事業では、社内のやりとりに意識と時間が引っ張られる力学が働いているようです。

企業内の新規事業の試みが失敗に終わる90%のうち、社内関連のやり取りが主たる原因のものは、半数以上なのではないか。何か良い方法はないものだろうか?

 

● 素人が取り組む大企業の新規事業??

新規事業のプロ 守屋実氏によると、新規事業は回数をこなすと慣れてきて、うまくできるようになるそうです。そりゃそうですよね。

でもほとんどの大企業では、逆をしていて「日本では新規事業がうまくいくと、立上げた人がその事業の責任者になる。逆に2回くらい失敗すると、二度と新規事業開発にはアサインされない。だから常に素人が新規事業をやっていて、死屍累々なんだ」とのこと。

バブル後の過去30年は、海外展開による事業拡大はある一方で、効率化重視・短期的な株主利益重視から、新規事業は控えめだった大企業は多いと聞きます。その結果、新規事業にまずはイチ担当者として関与し、いくつかの新規事業に携わった後に、1つの新規事業立上げの責任者になる、という流れが断絶されているのでしょうか。

新規事業の経験なしに、いきなり新規事業の責任者に据えるのではなく、新規事業の経験を数回させた後に、責任者に据えるという流れを、もっと作れないものでしょうか?

 

また、新規事業立上げを “人材育成” の場、と捉える経営者が少なくないと聞きます。
ポテンシャル人材に、修羅場を経験して一皮向けてほしい、次世代を担う事業を作ってくれる人材に成長してほしいと。

新規事業は確かに修羅場経験で、大きな成長機会を与えてくれます。ただそれは、新規事業が立ち上がり、新商品や新サービスとして販売され、実際に売れる状態まで至れた場合の気もします。初めて売れた喜びは、その金額が小さくとも格別なものがあります。

一方で、新規事業立上げが何らかの理由により途中で頓挫すると、新規事業に携わった人は、疲弊しただけで終わります。新規事業の検討時、社内から多くの横やり・逆風を受け続け、想像以上に意欲や精神が削がれ、精神的ダメージを受けるものです。

その苦しみを経て、新商品・サービスのローンチに至ると、大きな自信につながりますが、一方で、途中で頓挫すると、精神的ダメージを受けて疲弊しただけに。

“新規事業はやるだけバカを見る”、”結局社内政治で潰される”、”経営陣は新規事業なんて口だけで立上げる気概もない”、といった心情を抱きやすく、人材育成の機会のつもりが、皮肉にもポテンシャル人材の熱量や意欲を奪って潰してしまいす。場合によっては、若手の退職まで促してしまっているのかも。

 

● 新規事業立上げ支援 “周辺” の新市場

新規事業立上げの機運が広まるにつれて、新規事業立上げ支援 “周辺” という新市場が拡大しているようです。
新事業立上げの研修・ワークショップ、オープンイノベーションの運営支援、CVCの受託、新規事業プロジェクトの立上げ支援など。例えば某コンサル会社は、新規事業立上げ受託プロジェクトで2億円とか3億円とか10億円とか聞き、コンサル会社従業員の人件費に使われます。

新規事業立上げの機運が広がるのは素晴らしいと思う一方で、大企業の新規事業予算が、自社内ではなく、社外の支援会社に流れてるだけ?、新規事業立上げのためでなく支援周辺に使われる?と、やや穿った見方もしてしまいます。

新規事業立上げ支援 “周辺” が盛り上がる以上に、新規事業を立上げたい企業にて、どんどん新規事業が立ち上って盛り上がるといいなと思います。

 

● 不思議に見えるアクセラレーターとCVC

オープンイノベーションは、うまくいっている運営企業(大企業側)は一握りと聞きます。アクセラレータープログラムもCVCも、流行る前から取り組む企業は、目的も明確で果実も得ているそうですが、一方、それ以外はなかなかだと。

本来CVCは、事業開発の一環として取り組むもので、目的となる戦略的リターンは、新規事業や既存事業・戦略強化などと認識しています(情報収集とか既存事業シナジーといったフンワリしたものでなく)。
スタートアップのできれば早めの資金調達ラウンドで投資し、資本業務提携を通じて本業との相性や全社戦略に照らして、その後マジョリティを取りに行く。
しかし現実には、レイターラウンドで投資が多いそうで、その頃だと数億円出資しても10%未満マイナー出資が多く、戦略的リターンを得ようがないのでは?と不思議に思います。
※ シード・アーリーラウンドでマイナー出資し、その後 買収することを狙う場合(新事業開発ーM&AとCVCが連動している場合)は、極めて戦略的・有効なCVCです。

アクセラレーターは、上記ようなの目的ある中で、様々なスタートアップと早期につながる手段と思うのですが、どうもそうではなく、もう少しふわっとした感じが多いと聞きます。

 

● “make something people want” じゃない?

対象を、大企業の新規事業から、スタートアップに移します。

Y Combinatorのアドバイス「Make something people want(人々が欲しがるものを作れ)」。けだし名言です。少なくとも欲しがるものでない限り、顧客にお金を払ってもらえません。

私は創業以来、”Make something people want” を呪文のように自分に唱えてきました。

しかし、VCの方と会い始め、”Make something people want” でもない(VC的にそれが最重要ではない)と学びました。

とあるVCに言われたのは「顧客啓蒙しながら市場を創るような事業は、VC視点ではない(投資しない)と思うよ」と言うコメント。
VCの業態としての前提条件・5-6年以内にIPOしそうかと言う短期視点があると学びました。

「企業の目的は、顧客の創造である」byドラッカー氏。
「最上のマーケティングはマーケットクリエーション」byソニー盛田氏

私もこのような考え方であり、スタートアップですから、人々がまだ気づいてないところに目をつけ、0から1を生み出そうとしています。どこか既存カテゴリーに参入して競争するのではなく、カテゴリーに抗い需要と顧客を創造し、未来の当たり前を作ろうとするのが一番いいだろうと。

ただ、「Make something people want」で、中長期でゼロ・トゥ・ワンを狙おうとする場合、どうすれば良いのだろう。

 

● 資金調達の袋小路

自己資金でユニークなプロダクトをローンチし、実際に売上が立ち始める(=お金を払う顧客が出始める)も、VCから資金調達できない状況に直面するスタートアップにしばしばお会いします(理由は上述の通り)。

人々の問題解決につながり、人々が欲するものを提供し始めている手応えを得るに至ったら、やはりアクセルを踏んで攻めたい。起業家ですから。

そんな時、VCからでなく、銀行融資でもない、第三の方法がキラキラ見えたりします。
ある友人社長が、第三の方法で数千万円を調達した時、こっそりリスクを教えてくれました。他の企業への売却も、先々IPO、VCから資金調達も実質的に難しいというリスク。友人社長は、ゴールのない終わりをわかった上で歩み始めたようでした。

0→1立上げを実現しつつある新しいユニークな事業が、もっと別の良い方法で、多くの人々の役に立つ方法はないものだろうか。

 

「スーパーマリオ」生みの親の宮本茂氏によると「アイデアというのは 複数の問題を一気に解決するもの」だそうです。当ブログエントリーのアイデアが、複数の問題を一気に解決するものであれば!と思っています。

新規事業創造の試みがなるべく多く実現され、不本意に朽ちるものが減り、人々の役に立ち・素敵な姿につながり、日本を前進させますように。

※この内容は「賛成する人がほとんどいない、大切な真実」かもしれません。
「当事者として、その通りだと賛成するけど、公に口外しづらい」内容かもしれないし、「薄々わかっていたけど、そう思いたくはない」ことかもしれません。
まあ、単に私が全然間違っていて、独り善がりな無茶苦茶な思い込みかもしれませんが。

 

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