新規事業の成功率 10%未満|新規事業 成功確率を上げるため大切なこと

「新規事業は簡単にはうまくいかない」と言われますが、定量的には、新規事業の成功率は10%未満のようです。
数社の新規事業の成功率の数字と共に、大企業の新規事業で、成功確率を上げるために大切なことを紹介します。

 

新規事業立上げの成功確率は、新規事業が得意な会社でさえも、10%前後のようです。90%が失敗。10回試みて9回は失敗

新規事業が得意な会社でこの割合ですから、新規事業が得意な会社 “以外” は、新規事業の成功率は10%を下回る、と考えておくのが妥当でしょう。

成功確率10%未満は厳しい数字に見えるかもしれません。
しかし、成功確率10%未満は厳しい数字ではなく、単なる現実的な成功率です。

大企業は新規事業開発するよりスタートアップを買収する方が良さそう

【オリックス社の例】
・企業は社会の役に立つために存在している。これまでになかった価値を作り上げ提供するのが、企業が果たすべき使命。リーダーがやるべきは、イノベーションを起こし新しい価値を作り上げること。コストカット、リストラ、選択と集中、こんなものからはイノベーションは生まれない。
・オリックス 宮内氏は、新事業「成功率はイチローの打率より低い」と表現する。
・イチロー選手の生涯打率3割強であり、オリックスの新規事業の成功率は 0〜30%の間だと想像されます。
・オリックスには、次のような珍しい特徴がある中でも、成功率はこの程度の割合です。
ー大企業サラリーマンに向いている人は採用していない。
ー「新規事業は、正直なところ多くは失敗する。うまくいかない。新しいことをやって、すぐにうまくいくことなんて、そうそうあるはずはない」と、経営トップが理解している。
ーオリックスの幹部で、失敗したことがないという人は一人もいない。
ー会社として、新しいことをやれ、失敗してもいいからやれ、というスタンス。
ー多産多死から成長事業を創り出すマネジメントスタイルが確立されている。

新事業の成功率はイチローの打率より低い:日経ビジネス

 

【DeNA社の例】
・ボトムアップの新サービス開発部署のやり方:リーンインキュベーション部
・新サービスは初期予算1000万までで、開発〜リリースまで。累積コストが5000万円くらいで大きな判断。
・2014年からの4年で約40サービスを世に出したが、2018年末時点で継続してるのは4〜5サービスくらい。
・つまり、サービスリリースに至っても、その後9割は失敗。

DeNAの場合、社内立上げ新規事業は、全身全霊をかけて“打率1割”の世界。

DeNA流新規事業。3年間で24事業立ち上げ19事業を閉じた 新規事業チームが語る

※ なお、自動運転の旅客運送サービスのような全社をあげての新規事業の場合は、上記の形ではなく、投資規模も数百億円とのこと。

 

【メルカリ社の例】
・新規事業創造で極めて重要なのは人材。
ー新規事業開発には「0→1」を得意とする人材が必要。
ー0→1が得意な人材は数が少ないので、社内で見つけるのは大変。
経験則として0→1立ち上げのいろいろな課題を知ってるかどうか、圧倒的な熱量とスキルがあるか、が極めて大きい

・新サービスが成功するかどうかは、立ち上げる人に依存するという考え方が強い。

・0→1未経験者に、いきなり事業開発の責任者を任せることはない。
ーまずは0→1フェーズを責任者でない立場で経験してもらう。
ー実経験を積んだ後に、新規事業をやってもらう。
ー全体的に、新規事業責任者が自由に推進できる。

・これまで、新規事業・新規サービスの責任者は、元起業家、新規事業経験者、元スタートアップCOOのみ(つまり起業・0→1経験者ばかり)。

・メルカリ アッテ(事業責任者は元起業家。2016年春リリース、2018年春クローズ)
・メルカリ カウル(事業責任者は元スタートアップCOO。2017年春リリース、2018年春クローズ)
・メルカリ メゾンズ(事業責任者は元起業家。2017年夏リリース、2018年夏クローズ)
・メルチャリ(事業責任者は新サービス立上げ経験者。2018年初春リリース。2019年春 他社に譲渡)
・ティーチャ(事業責任者は元起業家。2018年春リリース、2018年夏クローズ)
・メルカリNOW(2017年秋リリース、2018年夏クローズ)
・メルトリップ(事業責任者は元起業家。2018年秋リリース、2019年初春クローズ)

・メルペイ(事業責任者は元メガネットベンチャー取締役。2019年リリース、現在進行形)

メルカリの場合、今のところ新規事業は成功していない(創業事業のメルカリ、現在進行形のメルペイは除く)

「社内ベンチャー」が成功しない理由と、メルカリ社のケース

 

【リクルート社の例】
・新規事業プログラムRingは1982年から35年やり続けている
・Ring全応募中、事業化フェーズに進むのは2%。そのうち黒字化に到達するのが15%。
・630件応募の場合、事業化フェーズに至るの12件、黒字化まで至るのは2件弱の確率。文字通り「千三つ(1000件に対してうまくいくのは3件。0.3%)」の確率です。

・応募件数が多いのは、出してもらうための投資と手間を相当かけているから。
ー応募を促すワークショップ 3ヶ月で 72回実施、3000人の従業員が参加。
ーひたすら勉強会を繰り返し、共にブレスト、壁打ち。
ー次世代事業開発室メンバー7人(過去に新規事業立上げ経験者)が対応。

・事業開発ターゲットは、6年以内の事業化を狙うカテゴリーと、長期的パラダイムシフトを狙うカテゴリーの2種。
・リクルートが新規事業を生み出せるのは、経営が本気で新規事業を作ろうとコミットしてるから。

リクルートの場合、新規事業の成功率15%。
ただし、応募630件から、ブラッシュアップして絞り込んだ12件の事業化に対して、黒字化するのは2件(15%)の成功確率。

新規事業生む組織とは? リクルート名物制度の秘密 :日経ビジネス

 

【ユニクロ社の例】
・新規事業に限らないが、新しいことの成功率は 一勝九敗、つまり成功率は10%程度のよう。

柳井正 『一勝九敗』 | 新潮社

 

リクルート社やDeNA社のような、新規事業が得意で、新規事業に取り組み続ける会社でさえ、新規事業立上げ成功確率は10%、失敗するのが90%ほどのようです。

※ハーバードビジネスレビューの記事によると、新規事業の成功率は5%程度とのこと。
新規事業の成功確率は5%程度 突出した人材の失敗を許容できるか | ハーバード・ビジネス・レビュー

逆算すれば、成功する新規事業を1つ得るために、10〜20の新規事業立上げを試みる必要がありそうです。

 

ちなみに、大企業でよく言われる「100億円になる新規事業」の規模感を「成功」と定義するならば、
この規模になる新規事業の割合は、おそらく成功率0.1%未満くらいで、失敗率99.9%以上です。

(参考数値:アメリカで最も有名なアクセラレーター:Yコンビネーターによると、スタートアップの成功は7%ほど(成功の定義:企業価値が40億円以上になること)。そもそもYコンビネーターに採択される率が3%ほどのため、企業価値40億円になれる確率は 7%×3%=0.2%です。)

新規事業は「千三つ」と言われることもありますが、企業価値40億円ほど、日本で言えばマザーズIPOほどに成長するのは、「千三つ」もありません。

 

■大企業の新規事業 成功確率を上げるために、重要なこと

新規事業の成功率 10%未満(おそらく5%ほど)であると、理解しましたね。

新規事業は大体(95%は)うまくいかない。
その上で、なんとか成功させるために、何をどうすべきか、成功確率を上げるために大切なことを紹介します。

数年〜十数年の多くの試行錯誤を経て、成功確率が15%くらいまで向上できれば、こんなに素晴らしいことはありません。

 

■大企業で新規事業をつくるために、アイデアより重要なこと(ゼロワンブースター 鈴木氏)

●成果を出そうと焦る大企業は、新規事業開発の「ツール」に飛びつきがち。アクセラレーター、CVC、社内ベンチャー制度など、事業創出ツールは様々ある。しかしこれらのツールは、社内の課題を特定してから、解決策として導入すべきもの。

https://www.projectdesign.jp/201803/images/gazou/20_3.jpg

●大企業の経営陣は「社員に当事者意識がない」「社内にアイデアがない」ことを新規事業が育たない理由にあげることも多いが、この認識自体が間違っている。
当事者意識はある。アイデアもある。それでも新事業が生まれないのは、大企業の体制や考え方に理由がある。

●大企業で新規事業を作るヒントとして挙げるのは、クレイトン・クリステンセン教授の言葉
ディスラプティブな価値を求める顧客と向き合える組織に任せなさい。小さな勝利にもインセンティブが働く小さな組織に任せなさい。小さい犠牲で済む失敗を繰り返しなさい。主流組織のプロセスや価値基準から離しなさい

●この言葉を大企業に取り入れるとしたら、社内で新規に事業を起こそうとするのではなく、社内外の起業家人材を活かす組織をどう作るかがカギになる
起業家人材には、社外のベンチャー起業家はもちろん、社内起業家も含まれる。起業家人材が持つ、社会に貢献したい、世の中に良い価値を届けたいという熱狂的な思いやアイデアを掬い上げ、試行錯誤を許し、長い目で育て上げることで、ようやくイノベーションの芽が出始める。

●大企業には沢山のしがらみがあり、価値基準や風土を変えることは難しいのはわかります。時間もかかるでしょう。それでも、これからの時代にイノベーションを求めるのであれば、起業家人材を受け入れ、活躍させる組織づくりをすることが必要だと、強く思っている。

https://www.projectdesign.jp/201803/venture-co-creation/004612.php

●起業家人材の獲得、大企業の新規事業立上げは、0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適。

 

https://blog.mychef.jp/2019/10/06/corporate-startup-engagement/

大企業の新規事業 立ち上げ|0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適解

 

■オムロン竹林 一氏が主張する、新規事業立上げに「起承転結」人材が必要理論

●新規事業を立ち上げるうえで、起・承・転・結の人材が必要。
「起」0から1を生み出す人
「承」1をn倍化するグランドデザインを描ける人
「転」n倍化する過程で戦略思考があり、KPI設定・リスク管理できる人
「結」きっちりやり続けて改善してくれる人

●今の大企業で活躍する人のほとんどが「転・結」の力を発揮している人。ただ、その事業自体が賞味期限切れになり、もう一度「起・承」に戻らないといけない。けれど、皆それをやったことがないから戸惑っている。今はそういう状況。

●イノベーションと言われても何していいかわからないし、「失敗は許されない」という感覚が染み付いているから、なかなか挑戦もできない。

●「起」は傍目から見ると「何やっているか分からない」人で、遊んでいるようにしか見えない。「転」のマネジャーが1番嫌うタイプです。よく分からないし、コントロール不能だから。「起」は、世の中がこれを必要とされているからという動機で行動する。対して「転」人材は社内のロジックを重視するタイプだから、ギャップが大きい。

「起」人材は、もはや大企業にはほとんどいない。ベンチャーや学生のような“大企業の外側”にいることが多い。

●楽天で三木谷さんがM&Aしているのも「承」の役割かもしれない。外側の「起」を、大きな器に組み合わせていく。

https://logmi.jp/business/articles/320474
https://bizzine.jp/article/detail/3581?p=4

●「起」の獲得、大企業の新規事業立上げは、0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適。

https://blog.mychef.jp/2019/10/06/corporate-startup-engagement/

大企業の新規事業 立ち上げ|0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適解

 

■ゼロイチ人材の生い立ちと育成(プロノバ岡島氏

・過去は、企業の既存事業を伸ばせば良かったが、今は非連続の成長が求められる。
・だからゼロからイチを生み出せる人材が必要とされる。ゼロイチな人が会社を新たな成長に導いてくれる。

・ずっと花形部署にいる人は、ゼロイチ人材になりにくい。
左遷されたような辺境部署、中途社員、外国人など、保守本流から離れた所にゼロイチ人材はいる

・ゼロイチになりやすい人の判断基準
ーやんちゃな人。誰もが無理と思った案件を、無理を通してやりきってしまう人。
ー破天荒だけど、なんか憎めない。荒削りだけど、実行してしまう人。
ー視点に特異点があり、物事を進められる。

・ゼロイチの可能性のある人材に、どういう経験を積ませるべきか。
35歳以下、できれば30歳以下の頃に、新規事業や小さめ海外子会社社長や買収企業統合の責任者など、経営者の機会をチャレンジさせ、そこで意思決定の場に立ってもらい、どんどん失敗してもらう
ー挑戦の数を死ぬほど増やすことで、何かを生み出す。ゼロを100回繰り返したら、やっと1が生まれるかどうか。
重要なのは、逃げ場のない立場で、意思決定の場数をいかに踏ませるか

・OJTではゼロイチは生まれない。同じような社員が生み出され、考える力を失う。

business.nikkei.com

●ただし、35歳以下で新規事業の責任者をすると、その新規事業の責任者から異動後に、外部流出してしまう(退職)可能性が比較的高くなります。その現実もあり、一定割合は退職してしまうことも見越して、挑戦の場・挑戦させる人の数をそれ以上に増やす必要がある。

●新規事業の場の増やし方、大企業の新規事業立上げは、0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適。

https://blog.mychef.jp/2019/10/06/corporate-startup-engagement/

大企業の新規事業 立ち上げ|0→1立上げ直後のスタートアップ買収が最適解

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